小説が書けない

小説が書けない時、代わりに吐き出す場所として

小説が書けない

時間的に、肉体的に、精神的に
金曜日の追試を受け損ねた。鬱がひどくなって立ち上がれなかった
親の病院から胃腸炎の診断書をもらってきた
親はそれを偽のものだとしてばれないようにしろと口を酸っぱくして言った
大丈夫、全部、本当だから。嘘っていうのが嘘だ。
一週間に一度は吐く。基本的に一日一食しか喉を通らない。
理由は簡単でカフェインの取りすぎだ。そうでもしないと動けないくらいに精神も限界にきている。
コーヒー二十杯分の効果があるものを一日に三本飲む。胃が暴れる。そうまでして、約束された栄光とやらを守らなければならないのか
僕はそんなに医者になりたいわけじゃない。ただ、自分が自分であることの証明として行ったことの副賞としてついてきただけのものなのだ。
それのために一度きりの人生を無駄にするほどのものではない。少なくとも僕にとっては。僕が入ったことで押し出された一人がなんと言おうともそういうものなのだ。僕の中では。
小説を書きたい。こんなにも文字が打てるのに、いざ物語を書こうとすると肝心の所で手が動いてくれない
『わたし達はまだまだ不完全だ。油断すれば傷の場所を明かしてしまう。分かっていても相手の触れられたくない所へうっかり立ち行ってしまう
不注意で、油断で、そして、まだ傷を癒してくれる誰かへの期待を捨てられないから』
『傷があるのかないのか、どこにあるのか、そんなこと誰にも聞けずに、苦しみなんて誰もが味わってるって誰かが言っていて
もしそうだとしたら、あの苦しみをこの世界のみんなが味わっているのだとしたら、何でもない日の夜一人で泣いて
みんなと笑って話した後一人で吐いて、傷の事も知らない相手をすきになるなんて想像できなくて、じぶんが幸せになる未来なんて想像できなくて
そんな苦しみを、生きとし生けるもの全てが味わっているのだとしたら、この世界に神様なんていない、ここは地獄だ。そんなもの、消えてなくなれ』
そんな二節を書くために、周りの文章を埋め込む。小説を書きたいのではなくて、僕の声を聴いてほしくて、そのための手段が小説なのかもしれない
まだ、こんなものじゃ足りない、こんなものじゃ伝わらない。そんな事をしているうちに時間が過ぎていく。
明日もテスト、週末もテストだ。500個の英単語を覚えなければならない。出席点欲しさに毎回出席していたのに、鬱で倒れて出れなかったから欠席1だ。
睡眠薬を飲む。どれだけ寝ても、どれだけ休んでも、起きた後に待ってるのは、休んだ分だけひどくなっていく現実だ。